権利関係・オリジナル問題 1
意思表示の練習問題
意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。
- 詐欺による意思表示の取消しは、取消し前に利害関係を持った善意無過失の第三者に対抗できる。
- 強迫による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対しても対抗できる。
- 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合、相手方が錯誤について悪意であっても、表意者は取り消すことができない。
- 心裡留保(冗談などの真意でない意思表示)は、相手方がそれを知っていた場合でも常に有効である。
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正解は 2
覚えるポイント
詐欺=善意無過失の第三者に対抗できない/強迫=誰にでも対抗できる。強迫された人には落ち度がないため、より強く保護されます。
- × 1誤り。詐欺による取消しは「善意でかつ過失がない第三者」には対抗できません。騙された人にも一定の落ち度があると考えられるためです。
- ○ 2正しい。強迫の被害者には落ち度がないため、取消しの効果を善意無過失の第三者にも主張できます。詐欺との違いが最頻出ポイントです。
- × 3誤り。重過失があると原則取り消せませんが、①相手方が悪意または重過失のとき、②相手方も同じ錯誤に陥っていたときは、例外的に取消しできます。
- × 4誤り。心裡留保は原則有効ですが、相手方が真意でないことを知っていた(悪意)か、知ることができた(有過失)ときは無効になります。
English explanation
Fraud = cannot be asserted against a third party in good faith without negligence. Duress = can be asserted against ANY third party (the victim of duress is blameless, so the law protects them more strongly).
- 1Wrong. Rescission for fraud cannot be asserted against a third party who acted in good faith and without negligence — the defrauded person also bears some blame.
- 2Correct. Rescission for duress can be asserted even against a third party in good faith without negligence. The contrast with fraud is the most frequently tested point here.
- 3Wrong. With gross negligence the mistaken party generally cannot rescind, BUT rescission is allowed if the other party knew of the mistake (or was grossly negligent), or shared the same mistake.
- 4Wrong. A mental reservation (joke) is valid in principle, but becomes void if the other party knew — or could have known — it was not the speaker's true intention.
意思表示で間違えやすいポイント
- 心裡留保は「有過失」でも無効
冗談などの心裡留保は原則有効だが、相手方が悪意「または過失あり」なら無効。「知らなければ過失があっても有効」は誤り。 - 虚偽表示の第三者は善意だけでよい
通謀虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できない。無過失は不要。「過失があれば対抗できる」はひっかけ。 - 錯誤の効果は「取消し」
改正民法で錯誤は無効から取消しに変わった。「無効」と書いてあったら誤り。 - 錯誤+重過失でも取り消せる例外
表意者に重過失があると原則取消し不可。ただし①相手方が悪意・重過失②相手方も同じ錯誤、なら取消し可。 - 詐欺と強迫の第三者保護の差
詐欺取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。強迫取消しは善意無過失の第三者にも対抗できる(被害者に落ち度なし)。 - 第三者による詐欺と強迫の差
第三者が詐欺をした場合、相手方が悪意・有過失のときだけ取消し可。第三者が強迫した場合は相手方の善意悪意を問わず取消し可。 - 「取消し後」の第三者は登記勝負
96条3項で保護されるのは取消し「前」の第三者。取消し後に現れた第三者とは対抗関係=登記の先後で決まる。