権利関係・オリジナル問題 12
売買(契約不適合責任)の練習問題
売買契約における売主の契約不適合責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。
- 引き渡された目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、買主は原則として追完請求等ができなくなる。
- 目的物の数量が不足していた場合も、買主は不適合を知った時から1年以内に通知しなければ責任を追及できなくなる。
- 買主は、売主に対して目的物の修補などの追完請求はできるが、代金減額請求をすることはできない。
- 売主に帰責事由(落ち度)がなければ、買主は契約を解除することができない。
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正解は 1
覚えるポイント
種類・品質の不適合のみ「知った時から1年以内の通知」が必要。数量・権利の不適合には期間制限なし。解除に売主の帰責事由は不要。
- ○ 1正しい。種類・品質に関する不適合は、知った時から1年以内の通知が必要です(売主が引渡時に悪意・重過失なら通知不要)。
- × 2誤り。1年の通知期間の制限は種類・品質の不適合に限られ、数量不足や権利の不適合には適用されません。
- × 3誤り。買主は追完請求のほか、相当期間を定めて催告しても追完がないときは代金減額請求もできます。
- × 4誤り。解除に売主の帰責事由は不要です(買主に帰責事由がある場合は解除不可)。損害賠償請求には売主の帰責事由が必要という違いに注意。
English explanation
The 1-year notice rule applies ONLY to non-conformity in kind/quality — not to quantity or rights. Termination needs NO seller fault; damages DO.
- 1Correct. For defects in kind or quality, the buyer must notify within one year of discovering the non-conformity (unless the seller knew or was grossly negligent at delivery).
- 2Wrong. The 1-year notice limit does not apply to shortfalls in quantity or defects in rights.
- 3Wrong. Besides cure, the buyer may demand a price reduction after demanding cure without success within a reasonable period.
- 4Wrong. Termination does not require the seller to be at fault. (Damages do require seller's attributable cause — note the contrast.)
契約不適合責任で間違えやすいポイント
- 1年通知は「種類・品質」だけ
数量不足・権利の不適合には知った時から1年の通知期間制限がない。 - 通知不要の例外
売主が引渡し時に不適合を知り、または重過失で知らなかったときは1年通知は不要。 - 買主の4つの権利
追完請求・代金減額請求・損害賠償・解除。減額は原則、催告して追完がないときに可能。 - 解除に帰責事由不要・賠償には必要
売主に落ち度がなくても解除できる(催告解除・無催告解除)。損害賠償だけは売主の帰責事由が必要。 - 消滅時効は別に走る
1年以内に通知しても、知った時から5年・引渡しから10年の消滅時効で権利は消える。 - 「知りながら告げず」は免責されない
どんな免責特約・通知期間特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を負う(572条)。 - 業法40条の特約制限
宅建業者が自ら売主(買主非業者)の場合、「通知期間を引渡しから2年以上」とする特約以外で民法より買主に不利な特約は無効。